パニック障害の症状について
パニック障害は、予期せぬ強い恐怖や不安が突然発生し、身体的な症状を伴う心の障害です。以下に、一般的なパニック障害の症状をいくつか挙げます。
パニック発作
突然の強い不安や恐怖が現れます。次のような身体的症状が現れることがあります。
・心拍数の上昇や動悸
・呼吸困難や息切れ
・胸痛や胸の圧迫感
・汗をかく、ふるえる
・倦怠感やめまい、ふらつき
・頭痛やめまい
・吐き気や胃の不快感
・手や足のしびれや痛み
・突然の熱感や寒気
不安と恐怖
パニック発作が起こることへの恐怖や、次の発作の恐怖により、慢性的な不安感が続くことがあります。
予期不安
パニック発作が起こるかどうかの不安が日常的に存在し、状況や場所を避ける傾向がある場合もあります。
社会的制約
パニック障害の症状が日常生活や社会的な活動に制約をもたらすことがあります。例えば、人混みや公共の場に行くことを避けたり、交通機関を利用することを恐れたりする場合があります。
パニック障害の症状は個人によって異なる場合もありますし、他の心の障害や身体的な状態とも関連することがあります。
パニック障害の東洋医学的な考え
パニック障害に関して、東洋医学(中医学や伝統中国医学)では以下のような考え方があります。
気の不調和
東洋医学では、パニック障害の症状は体内のエネルギーである「気(気血)」の不調和によるものと捉えられます。気は体内をめぐるエネルギーであり、適切に流れることで心身のバランスが保たれますが、ストレスや情緒的な要因によって気の流れが乱れると、パニック障害のような症状が現れると考えられます。
脾胃の弱さ
東洋医学では、パニック障害の発症に脾胃の弱さが関与しているとされます。脾胃は消化・吸収を司り、体内の栄養を供給します。脾胃が弱くなると、体内のエネルギーの生成や分配が円滑に行われず、気の不調和を引き起こす可能性があります。
心と腎の関係
東洋医学では、心と腎は密接な関係があります。心は東洋医学的には情緒や意識を司る臓器であり、腎は生命力やストレスへの抵抗力を司る臓器です。パニック障害の発症には心と腎のバランスの崩れが関与していると考えられます。心腎不交という状態です。
パニック障害の鍼灸治療の効果について
パニック障害の鍼灸治療の効果については、科学的な研究が限られており、明確な結論は得られていません。しかし、一部の研究や臨床報告では、鍼灸がパニック障害の症状緩和に役立つ可能性が示唆されています。
鍼灸は、体内のエネルギーである「気(気血)」の流れを整えることを目的とした東洋医学の治療法です。パニック障害においては、気の流れが乱れることが症状の一因と考えられています。鍼灸は鍼や灸を用いて特定の経絡(ツボ)に刺激を与えることで、気の流れを調整し、身体と心のバランスを取り戻すことを目指します。
一部の研究では、鍼灸がパニック障害の症状に対して有効である可能性が示唆されています。
例えば、2015年の研究では、鍼灸治療がパニック障害の発作頻度と症状の重症度を軽減する効果があると報告されています。また、2019年のメタ分析では、鍼灸がパニック障害に対して有望な補完療法として考えられると結論づけられました。
ただし、これらの研究はまだ限られており、結果の一貫性や治療効果のメカニズムについての明確な解明はされていません。また、個人の状態によっても治療効果は異なる可能性があります。
当院の鍼灸治療では、自律神経測定器で自律神経の状態を把握した上で全身的な自律神経のバランス調整の施術を行っていったり、東洋医学的な考えからどの臓腑が弱っているかなどを診て施術を行います。
パニック障害が起きた時の対処法
パニック障害になった時の対処法は以下のようなものがあります。
深呼吸を行う
深くゆっくりとした呼吸をすることで、身体の緊張を和らげることができます。ゆっくりと鼻から息を吸い込み、口からゆっくりと息を吐き出すようにします。
現実を確認する
パニック発作が起きたとき、現実を確認することが重要です。自分が安全であることを意識し、発作が一時的であることを思い出しましょう。
自己肯定の言葉をかける
自分に対して肯定的な言葉をかけることで、不安や恐怖を軽減させることができます。例えば、「これは一時的な状況であり、私は対処できる」「私は強く勇敢な人だ」といった言葉を自分に言い聞かせましょう。
安心できる場所や活動を見つける
自分が安心できる場所や活動を見つけておくことで、パニック発作が起きた時にそこに避難することができます。例えば、静かな部屋にこもる、音楽を聴く、好きな本を読むなど、個人に合った方法を見つけましょう。